幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

「気になるからに決まってんだろ!」

「だから、どうして気になるのよ」

「沙菜のことだからだよ」

なによそれ。駄々っ子?
ああもう!

「わけわかんない答えで誤魔化さないでよ」

「お、幼馴染のことだからだよ!気になって当然だろーが!」

驚いた!

「幼馴染って、今更そんなこと言う?」

自分から遠ざかっておいて、都合の良いときだけその立場持ち出すって都合よすぎ!

「事実だろうが」

「勝手すぎるよ…」

「沙菜は木田が好きなんだろ?オレ、あいつに言ってやってもいいぜ」

「ば、ばっかじゃないの!?」

呆れた。呆れた。呆れすぎた。
勘違いも甚だしい。
私の気持ちも、木田君の気持ちも全く知らないくせに。

「バカってなんだよ」

ムッとする蓮。

「ただの幼馴染はそこまでしなくて結構です」

何様なのよ!
みんなのアイドルになって、恋愛のことわかったつもりになってるのかな。
蓮のこと好きだけど、ついていけない。
理解不能!

「沙菜は木田のことがまだ好きなんだろう?」

まだ言うか!

「だから、なんでそうなるのよっ!」

「え…?もしかして、違うのか?」

「どうでもいいでしょ」

自分の勘違いにやっと気付いたか。
蓮は不思議そうな顔をしていた。

「じゃあ、沙菜の好きな男って誰なんだ?」

呟くように言う。
私はその言葉に大きく動揺した。

「前に沙菜は『好きな人がいる』ってオレに言ったよな」

確かに、言ったことがある。
もちろんそれは蓮なんだけど。