その後、いつものように部活を終えて、友達からのマックの誘いを丁重に断り、急いで帰宅の用意をしながらありすちゃんにLINEを送った。

『終わったよ~。どこにいるかな?』

速攻で返信がくる。

『教室にいるよ。待ってるね』

「あ、ホントだ」

丁度ラインの返信を見たとき、ありすちゃんのクラスの教室の前を通りかかった。

「お待たせ」

入り口からありすちゃんに声をかける。

「わ、ビックリした」

「あはは、ごめんごめん。帰ろ。どっかでお茶する?」

「うん。どこでもいいよ」

「じゃ、ベリーモールのフードコートなんてどうかな?」

ベリーモールは高校から駅までの道のりを少し逸れた位置にある、大型ショッピングモールだ。

「賛成!」

ありすちゃんを自転車の後ろに乗せて、他愛のない話をしながら移動した。
10分程度でベリーモールに到着。
私たちはフードコートでそれぞれ好きなものを買って、適当なテーブルに着いた。

「うわ、沙菜ちゃんの美味しそう」

「めったに来ないから、今日はちょっと奮発しちゃった」

私は前々から気になっていた、期間限定オレンジとマンゴーのスムージー。

「ありすちゃんのも美味しそう~!」

「これ、定番なの」

ソフトクリームにフルーツソースがたっぷりかかった器を持ち上げてにっこりするありすちゃん。

「で、相談って?」

食べ始めたら無言になってしまったありすちゃんを、私は促した。

「うん、あのね…」

言い辛そうだな。なんだろう。

「蓮君の元カノってどんな人だった?どんな感じで付き合ってたのかな?」

「え?」

思わずポカンとしてしまう。
ってか、元カノいること知ってたのか。