幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

どうにもならない気持ちを抱えたまま3学期を迎えた。
そして、ある噂を聞いて、オレは驚愕した。
沙菜の木田が別れたらしい。

耳を疑った。
本当に?
マ、マジなのか?
一体いつ?

放課後、たまらずオレは木田を捕まえた。

「木田、沙菜と別れたって本当か?」

「本当だよ」

なぜか睨まれる。
そんなことはどうでもいいけどな。

「ちょっと来い」

オレは木田を人気のない場所まで引っ張った。

「どうしてだよ!」

適当な場所で手を離し、問い詰めた。

「どうしてって?」

「おまえが振ったのか?」

少し躊躇してから頷く木田。

「なんでだよ!」

語気が荒くなるのを止められない。
沙菜と木田が本当に別れたなら、オレにとって嬉しいことのはずなのに、怒りの感情が沸いてくる。

「北河には関係ないだろ」

木田はふっと目を逸らした。

「沙菜は木田が好きなんだぜ!」

オレは何を言ってるんだろう。
ただ、沙菜の気持ちを考えたら、木田が許せないと思った。

「北河、何もわかってないんだな」

「なんで振ったんだよ!」

「イメージと違ったからだよ」

「はぁ!?なんだよ、その理由は!」

ギロリと睨みつけられる。
木田はオレが知らないような冷たい目をしていた。