幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

「この家で育った沙菜なら、見る目は確かだと思います。
間違っても、ロクでもない男を好きになったりしないですよ。
きちんとした、優しくて善良な人を選びます」

オレの本心だった。
沙菜はオレみたいなヤツは決して選ばない。

「そうか?」

沙菜の父ちゃんは少し安心した顔を見せた。

「蓮君、随分とお世辞が上手になったのね~」

「本当の事ですから」

オレは会話に応えながらも、ケーキを食べる手を止めなかった。
すぐに食べ終わり、紅茶も飲み干した。

「じゃあ、すみません。竜連れて帰りますから。どこの部屋ですか?」

ソファから立ち上がると、

「沙菜、案内してあげて」

そう沙菜の母ちゃんに言われ、沙菜は渋々とオレを2階の部屋に案内してくれた。
階段を上る時も、部屋に入る時も始終無言のオレたち。
きっと、早く帰ってほしくてたまんねーんだろうな。

竜は2階にある3つの部屋のうちの、北向きの部屋に寝かされていた。
一応起こしてみたが、爆睡モードの竜は起きる気配がない。
しかたなく担いだ。

あーあー、何が悲しくてクリスマスイヴの夜に弟をお姫様抱っこしなくちゃなんねーんだか。
だけど、ま、いっか…。
こんなかたちでも三波家でケーキを食べて、沙菜の顔を見られたんだから。

「ご馳走様でした。今日は色々と、本当にありがとうございました。お邪魔しました」

リビングにもう一度顔を出し、二人に改めてお礼を言った。

「今更気にするな。息子同然なんだから」

「来年は蓮君も一緒に来てね」

暖かい言葉を貰って、オレはもう一度深々と頭を下げた。

「私着いて行ってくるね」

「え!?」

予想外の沙菜の発言に、オレは驚愕した。