幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

「実は、蓮に聞きたいことがあるんだ」

沙菜の父ちゃんが急に畏まった聞き方をしたから、オレは妙に焦った。
なんだ?
もしかして、オレが沙菜に酷いことをしたのがバレたか?
嫌な汗が出る。

「なんでしょうか?」

動悸も激しくなってきた。

「学校に沙菜が付き合っている男はいるのか?」

「は?」

「お父さん!」

一瞬意味が飲み込めず間の抜けた声が出た。
沙菜は抗議の声をあげながら、オレにケーキと紅茶を運んでくる。

「なんだ、問題あるのか?」

憮然とする沙菜の父ちゃん。

「別になんでもいいじゃない!」

沙菜はオレの前にケーキと紅茶を置くと、ダイニングテーブルに座った。

「あのな、どうも最近沙菜は随分とめかしこむようになってなぁ。
今日なんか、竜が来るっていうのに、昼間出掛けたんだ」

「はぁ…」

「お父さん、蓮が困ってる。余計なこと聞かなくていいのっ!」

「沙菜は黙ってなさい。お父さんは蓮に聞いてるんだ」

親子喧嘩かよ…。

「これはもしや彼氏ができたんじゃないかと思ってな。
どんなやつか、ちゃんとした男じゃなければ、認めるわけにはいかんし。
心なら学校も同じだし、沙菜も蓮になら言うんじゃないかと思ってね」

それは大きな大きな誤解だぜ…。

「沙菜に彼氏はいるのか?いるんなら、どんなヤツなんだ?」

沙菜の父ちゃんは身を乗り出した。

「さぁ…、オレは良く知りません」

しらばっくれるオレ。
これ以上、余計な言動で沙菜に嫌われたくない。
もうこれ以上ってことがないほど嫌われてるけどな…。

「そうかぁ~」

あからさまにガッカリする沙菜の父ちゃん。

「だけど…」

オレは言葉を続けた。