幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

「どうぞ」

沙菜は短くそう言って、リビングに入ってしまった。

「お邪魔します」

オレは緊張しながら三波家に上がり、リビングに入った。
沙菜は台所で片付けの手伝いをしていた。
オレに気付いて、沙菜の両親がそれぞれにこやかに挨拶してくれる。

「すみません、ご迷惑をかけてしまって…」

台所にいる沙菜の母ちゃんと、リビングのソファにいる沙菜の父ちゃんに、まずは頭を下げた。
そして部屋を見渡したが、竜がいない。

「ああ、竜くんなら、とりあえず2階の部屋に布団しいて寝かせておいたぞ」

と、これは沙菜の父ちゃんだ。

「げっ!マジですか!?すいません…!」

オレは恐縮した。

「すぐに連れて帰りますから…」

「まあまあ、蓮君もケーキ食べていかない?ホールで買ったからまだ残ってるのよ。
竜君は熟睡してるし、全然構わないわ」

と言いながら、既にケーキの準備を始めている沙菜の母ちゃん。

「いえっ!そういうわけには!」

「遠慮なんてすることないわよ。座って」

オレはチラっと沙菜を見てしまう。
沙菜はオレを一切見ようとしないけど。
でも、気まずい。
だけど、嬉しい。

なんだろう、この感じ、久しぶりだ。
オレは不覚にもジワリと涙が滲みそうになった。

「ありがとうございます…」

だから、素直に礼を言った。

「蓮、こっちにこい」

手招きする沙菜の父ちゃん。

「持っていくから」

そう言って、優しい笑顔の沙菜の母ちゃん。
オレは甘えることにしてソファに座った。