「沙菜、知ってた?蓮君と、ありすちゃんが付き合ってるってこと」
蓮から彼女を紹介されてから数日後、教室に入るやいなや、蓮のファントリオの中の一人、宮沢理恵子(ミヤザワ リエコ)ちゃんから話しかけられた。
「うん。知ってたというか、誰でも二人を見れば付き合っているってわかると思う。なんせ、どこでも手つないでるからあの二人」
蓮から麻賀さんを紹介されたことは、あえて言わずに無難に答える。
「ラブラブだもんね~」
そうなのだ。
とっても可愛い彼女ができた蓮は、浮かれて今にも空に飛びそうな勢いなのだ。
これは蓮のクラスにいる友達の情報だけど、休み時間の度に二人の世界を作り、昼食は仲良く屋上のベンチで食べているらしい。
ちなみに、蓮は今も変わらず、私の自転車に乗って登校している。
彼女に悪いと思い、蓮に電車で行くよう説得してみたのだが…。
「大丈夫。ありすは妙な誤解するような女じゃないから」
と、根拠ない自信に満ち溢れていて、私の提案は却下された。
その結果、私が蓮を学校まで運び、自転車置き場で麻賀さんと待ち合わせをし、そこで蓮を引き渡すという、とっても不思議な朝のパターンができあがってしまった。
「おはよう。蓮、沙菜ちゃん」
今日も朝から爽やかな麻賀さんが、笑顔で挨拶してくれる。
「おはよっ!」
元気いっぱいの蓮。
「おはよう…」
息を切らせて私も挨拶すると、麻賀さんは「大丈夫?」と心配してくれた。
優しいなぁ…。
いつものように二人の背中を見送り、涼んでから教室に入る私。
先に来ていた愛実に「おはよ!」と挨拶をする。
「おはよー。
沙菜、知ってる?あんた最近『運び屋』ってコードネーム付けられたらしいよ」
ガク…。
朝からあまりの報告に、思わず脱力してしまった…。
「もういいよ。なんとでも言ってくれ」
投げやりに言うと、愛実が同情の眼差しを向けてきた。
「沙菜も苦労人ねぇ」
「目が笑ってるぞ」
とりあえず、高校で女子たちに目の敵に去れずに済んでいるんだから、それで良しとしよう。
その後も大きな変化はなく、中学時代とは違い高校では平和な毎日を送れていた。
蓮から彼女を紹介されてから数日後、教室に入るやいなや、蓮のファントリオの中の一人、宮沢理恵子(ミヤザワ リエコ)ちゃんから話しかけられた。
「うん。知ってたというか、誰でも二人を見れば付き合っているってわかると思う。なんせ、どこでも手つないでるからあの二人」
蓮から麻賀さんを紹介されたことは、あえて言わずに無難に答える。
「ラブラブだもんね~」
そうなのだ。
とっても可愛い彼女ができた蓮は、浮かれて今にも空に飛びそうな勢いなのだ。
これは蓮のクラスにいる友達の情報だけど、休み時間の度に二人の世界を作り、昼食は仲良く屋上のベンチで食べているらしい。
ちなみに、蓮は今も変わらず、私の自転車に乗って登校している。
彼女に悪いと思い、蓮に電車で行くよう説得してみたのだが…。
「大丈夫。ありすは妙な誤解するような女じゃないから」
と、根拠ない自信に満ち溢れていて、私の提案は却下された。
その結果、私が蓮を学校まで運び、自転車置き場で麻賀さんと待ち合わせをし、そこで蓮を引き渡すという、とっても不思議な朝のパターンができあがってしまった。
「おはよう。蓮、沙菜ちゃん」
今日も朝から爽やかな麻賀さんが、笑顔で挨拶してくれる。
「おはよっ!」
元気いっぱいの蓮。
「おはよう…」
息を切らせて私も挨拶すると、麻賀さんは「大丈夫?」と心配してくれた。
優しいなぁ…。
いつものように二人の背中を見送り、涼んでから教室に入る私。
先に来ていた愛実に「おはよ!」と挨拶をする。
「おはよー。
沙菜、知ってる?あんた最近『運び屋』ってコードネーム付けられたらしいよ」
ガク…。
朝からあまりの報告に、思わず脱力してしまった…。
「もういいよ。なんとでも言ってくれ」
投げやりに言うと、愛実が同情の眼差しを向けてきた。
「沙菜も苦労人ねぇ」
「目が笑ってるぞ」
とりあえず、高校で女子たちに目の敵に去れずに済んでいるんだから、それで良しとしよう。
その後も大きな変化はなく、中学時代とは違い高校では平和な毎日を送れていた。



