貴方に焦がれて、恋をする。

「ふぁ…………」

 手で口を押えて、あくびをする。

 う~……、ね、眠い……………………。

 目閉じたらすぐ寝ちゃいそう……。

 昨日は遅くまで本読んでたからなぁ…………。高校の勉強とか教科書で予習したりして…………。

 今日は早く寝なくちゃ…………。

 そんなことを考えてから、両手で頬をパンパン、と軽く叩く。

 今日から授業も始まるし、今日一日頑張ろう………!

 確か、私は1-Aだったはず!

 で、1年生は一階にあるから………。

 ここを曲がって………。あ、あった!1-A!

 教室の扉の前に立ち、大きく深呼吸をする。

 う〜………、昨日クラス発表されて知らない人ばっかだったから緊張する………………。

 友達、作れますように………………!

 そう意気込み、扉を開ける。

「お、おはようごがいますっ」

 やばっ、めっちゃ盛大に噛んだ………………!

 クラスメイト全員がこっちを見てる気がする。

 笑われているようで、カァァァ、と顔が熱くなる。

 友達、できないかも………。友達どころか、笑いものになりそう…………………。

 意気込んで早々、やらかすなんて…………!

 は、恥ずかしいっ。

 涙が出そうになるのを必死にこらえ、自分の席へ向かう。

 え―と、隣の席は………って、や、ヤンキー!?

 キラキラ輝く金髪。銀色のピアス。何より、敵を睨みつけるような鋭い目つき………………!

 まるで、本の中のヤンキーを思わせるような外見だ。

 き、気まずいっ…………!

 ていうか、こういう時は自己紹介すべき…………!?

「は、はじめまして」

 ヤンキーさんは、ただ黙ってうなずく。

「私、花笠 優芽、といいます。よろしくお願いしますっ…………!」

 そこまで言った後、ギロッと睨まれ、身震いをする。

空牙 勝輝(くうが かつき)

 空牙さんは、素っ気なくそう言う。

 ………! 答えて、くれた………!

 答えてくれたのが嬉しくて、思わず頬が緩む。

「よろしくお願いします………!」

 微笑みながらそう言うと、空牙さんは信じられないものを見た、とでも言いたげな表情で私を見つめている。

 えっ…何か、おかしいこと言ったかな………?