貴方に焦がれて、恋をする。

 花笠優芽(はなかさゆめ)、今日から秋森学園に通う高校一年生。

 友達、いっぱい作れるかなっ…………。楽しみ……っ。

 ずっと憧れていた華の高校生生活に目を輝かせながらも、私は秋森学園に向かった、はずなのに………。



「うぅ………、ここどこぉ………?」

 道に迷いました。完膚なきまでに。

 どうしよう………、新入生代表挨拶も任されてるのにっ………。

 もう入学式まで、そんなに時間ない………。どうしよう………どうすればっ………。

 混乱と不安で気が気じゃなくなり、頭を抱えて道に座り込んでしまう。

「大丈夫?どうかした?」

 急に背後から声をかけられ、体がビクッと飛び跳ねる。

 恐る恐る顔を上げると、ーーー息を呑むほど綺麗な男の人。

「その制服………」

 彼が私が着ている制服を見て呟く。

「もしかして、秋森学園の?」

「あ…はい。あの、新入生なんですけれど、道に迷ってしまって………」

 って、初対面の人にこんなこと言われても迷惑だよね………。

 そう落ち込んだのも束の間、彼が口を開く。

「俺もそこの生徒。これから向かうところなんだけど、案内しようか?」

 思わぬ展開に、「えっ………」と言う声がもれる。

「い、いいんですか……?」

「うん、俺でよければだけど」

 その言葉に、さっきまで沈んでいた心が、ぱっと軽くなる。

「ありがとうございます……!」

 私が来てしまっていた道は、どうやら学園から反対方向だったらしく、その人は学園まで丁寧に道案内してくれた。