幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話

 そんな、ちょっとしたランナーズハイのまま走っていると、木々の向こう、朝靄の中に街が見えてきた。

「充悟さんっ、街ですよっ。
 私たち、たどり着いたんですっ」

「ほんとだっ。
 やったなっ」

 大きな道路まで出ると、向こうからタクシー、しかも、空車がやってくるのが見えた。

「見てくださいっ。
 タクシーが走ってますっ」

「やり遂げたな、俺たちっ」

 二人は難問の答えが解けた学生のように、はいはいっ、と手を挙げて、タクシーを止める。

 クーラーのよく効いた車内に転がり込み、

 文明ってありがたいっ、と二人は思った。

「す、すみません。
 駅まで」

「どうしたの、息切らせて」
と運転手さんが笑う。