Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



「いつもの忘れただろ。じきじきにチェックしに来ましたよ」


「いつもの…?あっ」




 廉さんが手のひらを見せる動きをしたのを見て、そういえば忘れてた、と交替のときに必須(ひっす)の動作を思い出す。

 ディーラーはチップを隠し持ってないか、っていうのを監視(かんし)カメラに見せるために、両手を突き出して手のひらを合わせなきゃいけないんだよね。




「思い出したか~?はい、じゃあ手ぇ出して」


「はい…ごめんなさい」




 しょも、とあやまりながら両手を出して、廉さんに、手や、そで口をチェックしてもらった。




「仕事中もずっとよそ見してたよなぁ。帝サマの攻略にはそんなに苦戦してるかい?」


「うぅ…なんだか空回っている気がして。だんだん、帝さんに冷たい目で見られているような気がしてくるんです…」


「はははっ、そりゃあ帝サマに飲まれてるな~」