「わかりました。それじゃあ、ちょっと帝さんに会いに行ってきます」
「お~」
「行ってらっしゃい、結花さん」
2人に手を振ってから、私はスタッフルームを出て、めったに行くことがない支配人ルームへと向かった。
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――視点なし――
結花の姿が扉の向こうに消えると、周囲から ちらちらとひかえめに向けられる視線を気にするそぶりもなく、廉がロッカーのほうへ足を向ける。
晴琉は口元にかすかな ほほえみを浮かべながら、廉の背中へ小さく声をかけた。
「ところで、冬木さんが結花さんをひいきするのは、予言があるからですか?」
踏み出した足をぴたりと止めて、廉はゆっくり振り向く。
しかし、晴琉へと向けられた視線は、そのゆるやかな動作とは裏腹に、するどいものだった。



