通路の先に向かって歩き出した帝さんについていきながら、私はドロップハート、ドロップハート?と首をかしげる。

 どんどん通路の奥へ奥へと進んでいく帝さんが足を止めたのは、ゲームに使う備品の予備なんかが置いてある倉庫の前だった。




「ゲームの目的は、“相手の心を落とす”こと。自分に対して恋愛感情を(いだ)かせたほうの勝ちだ」


「――えっ!?」




 倉庫の扉を押し開けながら、帝さんが口にした言葉におどろいて、私は目と口を限界まで開いた。

 恋愛感情を抱かせたほうの勝ちって…それ、“心を落とす=相手を()れさせる”っていうこと!?

 そ……そんなゲームがあっていいの!?