Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

 Gold Nightの制服じゃ だめだし、かと言って学校の制服以外の着替えは持ってきてないし。

 お客さまとしては来れない高校生が、支配人の帝さんと一緒に、なんて、だれだって目的がわかるよね…。


 ルーレットのテーブルもそうだし、ブラックジャックのテーブルも数台あるけど、帝さんが向かったのは、ちょうど1人席を立って空きができたテーブル。

 近づく帝さんに気づいて顔を上げた、そのテーブルを担当している晴琉(はる)くんは、うしろにいる私を見て、すこし目を丸くした。




「3先で、“外”を賭けて」


承知(しょうち)いたしました」




 帝さんが端的(たんてき)に伝えると、晴琉くんはうなずいて、ゲームを始める用意をする。

 となりのお客さまどころか、近くにいる周りのお客さまに見られながら、私は一番左の空席に座ってトランプが くばられるのを待った。

 半円の形をしたテーブルの円周をなぞるように、さっ、さっ、と右から左へくばられたトランプが、まずは1枚表を向いた状態で届く。