Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 帝さんに言われて、私はスタッフルームに行き、更衣室(こういしつ)で学校の制服に着替えて、ひとつに結んだ髪をほどいた。

 身支度を終えて通路にもどれば、ちょうど話を終えたのか、廉さんが帝さんと別れてセキュリティールームに入っていく。

 帝さんは暗い(むらさき)色の、目元を隠す形をした仮面を持ってこちらに歩いてきた。




「つけろ。声は出さなくていい」


「はい」




 帝さんから仮面を受け取って、ゴムひもを頭につけ、視界を確保できるように位置を()調整する。

 私の姿を確認したあと、帝さんは玄関ホールに向かって歩き出した。


 帝さんのうしろに続いてカジノフロアまで もどってくると、私たちの存在に気づいたお客さまから周りのお客さまへ、ざわめきが伝染(でんせん)していく。