Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 流れるように私のとなりに立った男性は、するりと私の腰に手を回してきた。




「んぇ…いえ、あの、クスリとかは えんりょしたいかな~って…」


「ぜんぜん やばいもんじゃないよ?気持ちよーくなるだけ。きみみたいな子にはぴったりだと思うな~?」




 にこにこと笑いながら、まさかのおしりをなで回されて、ひぇ、と固まる。

 ど、ど、どうしよ~…っ。セクハラとか初めてされた、え、ちょっとかんべんしてほしい…。

 とりあえず背中に手を回して男性の(うで)を押し返しながら、もう走って逃げちゃう?とカジノのわき道に目を向けた。




「あ、車来た。あぶないからこっちおいで?」


「え、や、あの、離して…」