Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 帝さんと運転手さん、2人に向けてお礼を言ってから、私はドアを押し開けて車を降りる。

 顔を上げると、校門付近(ふきん)にいる登校中の生徒がみんなこっちを見ていて、わ、と面食らってしまった。

 まぁ…注目を浴びるのもとうぜんかぁ。


 なにせ國家の帝さんが乗ってる車だし、と視線を受け流すように振り返って、すこしかがみながら車中の帝さんを見た。




「帝さんも、行ってらっしゃい。どこかで仮眠(かみん)をとって体を休めてくださいね。それじゃあ、また夜に」




 笑顔であいさつすると、帝さんは横目に私を見てすこしうなずく。

 後部ドアを閉めて数歩うしろに下がれば、黒ぬりの車はまっすぐ走っていった。

 見てないとは思いつつ、手を振って帝さんたちを見送ってから、私は校門のほうに体を向けて歩き出す。




「ねぇ、帝さま見えた?」