Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

 そんなときに、帝さんが手を差し伸べてくれたから、私は家族と離ればなれになっても4年間生活してこれた。

 お兄ちゃんとだって文通させてもらえることになって、生まれて初めて、お父さんからの手紙をもらえたりもしたし。

 今は、お兄ちゃんが いそがしくなっちゃったのか、ここ数年ぱったりと手紙のやりとりは途絶(とだ)えてしまったけど。



 中学生でバイト、それもカジノで はたらくなんていうのはちょっぴり変わってたけど、仕事をもらえたおかげで、好きな物を買えるお金も持っている。

 帝さんは、私の恩人(おんじん)なんだ。




「…」




 帝さんに対しては感謝の気持ちでいっぱいなんだけど、そんな帝さんに横目でじっと見つめられて、あ、またやってしまった、と反省する。




「すみません、なんでもないです。えぇと、今日のごはんもおいしかったですよね。私、ひじきの煮物が好きなので、朝から食べれてしあわせでした」




 へら、と笑って話題を変えると、帝さんはすこしのあいだ私をながめて、「そうか」と言いながら窓の外へ視線を移した。

 踏みこんだ質問ばっかりして、帝さん、怒ってないかな…?