Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



「あぁ…」




 お客さまが小さくこぼした(らく)たんの声が自分のものかと思ったくらいには、思わずため息が出そうだった。

 そういえば私、賭けに弱いからここで はたらいてるんだった…。

 お兄ちゃんとか(はく)ツキくんみたいに、うまくいかないなぁ…。


 ざんねんな気持ちを胸の奥にとどめて、私は口角を上げながらマーカーを33と書かれた場所に置き、賭けに負けたチップを回収する。

 1つの数字に賭ける1目張りか、テーブルのレイアウト上でとなりあう2つの数字に賭ける2目張りか、横1列の数字に賭ける3目張りか…。

 なんていういくつかの賭け方に応じて、黒の33に賭けていたお客さまにそれぞれの配当、チップを払いもどした。