Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 思い出したようにうなずく帝さんに笑顔を向けて、私はお兄ちゃんのほうを振り返った。




「ね、お兄ちゃんも一緒に、3人でだれが一番水しぶきを飛ばせるか()けようっ」


「結花…すっかりカジノに染まったね?」




 苦笑いするお兄ちゃんに、えへ、と笑い返して、私は帝さんから離れる。

 賭けのルールは…うん、こうしようかなっ。




「自分をふくめて、だれに賭けてもいいです!みんな、自分に賭けて勝ったらどんなメリットがあるか宣言(せんげん)してくださいっ」




 お兄ちゃんと帝さんの視線を受けながら、私はまず、私に賭けるメリットを宣言した。




「私に賭けて勝ったら、今日と明日、3人で仲良くあそびます!」


「それじゃあ…僕に賭けて勝ったら、帝さんに明日のライブのチケットを差し上げます」


「…なら、俺に賭けて勝ったら、結花の外出を日曜の夜まで延長(えんちょう)していい」




 こ、これは…みんなに賭けたいくらい魅力的(みりょくてき)なメリットが…!!

 2人の顔を交互(こうご)に見つめると、お兄ちゃんは笑って帝さんを見る。