怒るお兄ちゃんにうながされて、帝さんもすなおに あやまるものだから、私はあわてて胸の前にもどした両手を左右に振った。
「い、いいんですよ!衣食住も仕事ももらえたおかげで、好きなものを買ったりできてましたし!」
「結花…ちゃんと、あやまってもらうところは あやまってもらわないと」
「ほ、本当に大丈夫なの!帰りだって送迎してもらえたから、危険なこともなかったし!」
別にあやまってほしいなんて ちっとも思ってなかったから、私は全力でお兄ちゃんを説得しにかかる。
「ね、お兄ちゃんだって知ってるでしょっ?黒街での生活は、たまにあぶないこともあるけど、けっこうわるくないって!」
切実な思いで見つめると、お兄ちゃんは困惑しながら私を見つめ返したあと、ため息混じりに笑った。



