Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

「心配してくれてありがとう。私、博ツキくん大好きなんだ。中の人がお兄ちゃんなら、好きになったのも納得かも」




 私、お兄ちゃんのこと好きだし。

 博ツキくんに親近感を覚えたのも、本当はお兄ちゃんだったからなのかな?

 えへ、と笑うと、お兄ちゃんは くしゃっと顔をゆがめた。




「借金を返すためにがんばってくれてありがとう、お兄ちゃん。お父さんにも、お礼を言わないとね」




 ぎゅっとお兄ちゃんに抱きついてお礼を伝えてから、振り返って帝さんを見る。

 目が合うと、やわらかく目を細めて見つめ返してくれた帝さんにどきどきして、ほおがじわりと熱くなった。




「帝さん、今日と明日だけ、お出かけさせてください。明日の夜には必ず帰ります。たっぷり栄養をチャージして、約束を守るためにがんばりますから」




 ぐっと両こぶしをにぎると、帝さんは、ふ、と つきものが落ちたように、やわらかくほほえむ。

 過去一の笑顔に ぶわっと赤面すると、帝さんは目を伏せて、独り言をこぼすようにつぶやいた。