Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

 でも…と、私はお兄ちゃんを見て、眉を下げながら笑った。




「たしかに、お兄ちゃんの手紙を見せてもらえてなかったのはショックだけど。私、カジノの仕事も、黒街での生活も、けっこう好きだよ」


「結花…?」


(くに)家の人と一緒に住んでるから、いろいろ制約があるのも理解してる。それでも私、帝さんには たくさんのものをもらったし…」




 大変なことばっかりじゃ、ないんだよ。

 そう伝えるために、笑顔でお兄ちゃんに話す。




「ライブを観に行きたくてGold(ゴールド) Night(ナイト)で勝負したときだって、1回負けたのに、再挑戦まで許してもらえたの。それでも、私は負けちゃったけど」


「…」


「帝さんは やさしい人だよ。私、帝さんのことが好きだし、大事な約束もしてるから。離れたくない友だちもいるし、ライブを観たら、黒街に帰ってくる」


「そんな、結花…」