Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 私、そんな手紙、もらってないよ…?

 ゆっくり振り返ると、帝さんは無表情にもどって、無言で私を見つめていた。

 帝さんが…これまでも、隠してたんだ。


 私が書いた手紙だって、内容をチェックされて、これは書いちゃだめって何回も修正させられてたし…。

 “黒街の住人”に見せられない内容の手紙は、私に届けずに、処分されてたのかも。




「結花。家族と自由な文通もできない街には、もういたくないでしょ?それに、中学生の結花を、夜にカジノで はたらかせたりして…!」


「お兄ちゃん…」




 お兄ちゃんの手紙をずっと隠されてたこと、ショックだった。

 それに、お兄ちゃんが怒ってくれる理由もわかる。

 黒街での生活は、たぶん、ふつうじゃない。