Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 なんだか言い合いになってしまっている2人を止めようとしたのだけど、お兄ちゃんは私の頭を押さえて、ひそ、とささやく。




「結花は大人しくしてて。僕が守るから」


「え、あの、でも」


「…結花が逃げたとしても、俺は結花を手放すつもりはない。今すぐ、もどってこい」


「んぇ…っ?」


「結花が黒街に(とら)われる理由はありません」




 ひどい誤解をしている気がする帝さんに、お兄ちゃんが言い返して、また言い合いが始まってしまいそうなところを、私は大きな声を出して止めた。




「あ、あの、ちょっと待ってください!お兄ちゃん聞いて、私、守られる必要なんてないよ」


「でも、結花」


「ちょっとだけ離して」