Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



「へ、帝さん…!?」




 目を丸くして振り向くと、車のドアを閉めて、こちらに歩いてくる帝さんの姿が見える。

 な、なんで帝さんがここに…!?

 びっくりする私を、お兄ちゃんがぎゅっと抱きしめなおして、硬い声で帝さんに話しかけた。




「結花に、なんのご用ですか?」


「…青波(あおなみ)優紀(ゆうき)、結花を返せ」


「おことわりします。うちの借金(しゃっきん)全額(ぜんがく)お返ししました。結花が黒街にいる理由はもうないはずです」


「結花は…俺のものだ」




 帝さんの言葉に、どきっと心臓がはねる。顔も熱くなってしまった。




「4年間結花の面倒を見ていただいたことには感謝しています。ですが、帝さまに結花を所有する権利はありませんよね」


「は…お、お兄ちゃん、ちょっと待って。帝さんも、あの」