「結花!」
「んぇっ?」
耳になじむ声で名前を呼ばれて、どきっと心臓がはねた。
目を丸くしてきょろきょろあたりを見回すと、道路わきから、さわやかな黒髪に、ぱっちりとしたピンク色の目をした見覚えのある男の人が飛び出してくる。
「お…お兄ちゃん?」
「よかった、結花!」
「ええっ?」
この声、お兄ちゃんから出てるの!?
別の意味でびっくりしていたら、かけ寄ってきたお兄ちゃんに ぎゅううっと抱きしめられて、なつかしい匂いが鼻の奥に届いた。
昔の感覚が一気によみがえってくるようで、遅れてよろこびが湧き上がる。
「お兄ちゃん…ひさしぶり」
「うん…!ひさしぶり、元気にしてた?」
「うん、元気だったよ。お兄ちゃんは?」
「僕も元気にしてたよ。結花が心配だったけど」



