Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 今日はこれから仕事があるけど…でも、この機会を(のが)したら、明日ライブに行くとちゅうで、お兄ちゃんとお父さんに会いに行けるかわからない…。

 今黒街(くろまち)を出れば、確実にお兄ちゃんかお父さんに会えるし、明日のライブにもよゆうを持って行ける…うぅ~…っ。




(みかど)さん…ごめんなさいっ…」




 ライブを観終わったら、絶対にすぐ帰ってくるので!

 ぎゅっと目をつぶって、心のなかでそうことわってから、私は許可証を取り出し、お兄ちゃんの手紙を一緒に持って、自分の部屋にもどった。




「すぐに荷造りしなきゃ。それに、帝さんにも休みの連絡を入れて~…っ」




 帝さんの部屋から持ってきた紙類をつくえの上に置いて、しまってあったリュックを引っぱり出す。

 スマホを取り出し、連絡先のなかから帝さんの番号をえらんで電話をかけた。

 呼び出し音を聞きながら、スマホを耳と肩ではさみ、クローゼットを開けて着替えを用意する。