Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 玄関を開けてなかに入ると、出迎えに来てくれた使用人さんが きれいにおじぎをする。

 顔を上げた使用人さんは、「いえ」と答えた。




「ご主人さまは午後から外出されております。そのままカジノへ向かわれるそうですよ」


「そうですか…わかりました。ありがとうございます」




 ちょっと残念だけど、Gold Nightに行けば会えるだろうし。

 それよりも、今ならかんたんに帝さんの部屋へ入れそうでよかった。




「お車をご用意しておきましょうか?」


「うーん…いえ、家からなら近いですし、まだ明るいので歩いて行きます」


「かしこまりました。ご用のさいは おもうしつけください」


「はい」




 使用人さんに笑顔でうなずいて、2階の自室を目指す。

 スクールバッグを置いてから、帝さんの部屋につながる扉をそっと開け、「失礼します…」とことわりを入れて なかにおじゃました。