Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



《お(じょう)さま?お帰りなさいませ。どうなさいましたか?》




 電動でしか動かない大きな門扉(もんぴ)の横でインターホンを押すと、スピーカー越しに使用人さんから疑問の声が返ってくる。

 私はカメラに向かって、えへ、と笑った。




「ちょっと忘れ物をしてしまって」


《さようでございますか。ただいま門扉をお開けしますので、少々お待ちください》


「はい、ありがとうございます」




 お礼を口にしてすぐに、門扉がゆっくりと開き始める。

 私は門扉のあいだを通って家に入り、玄関(げんかん)までまっすぐ向かった。




「お帰りなさいませ、お嬢さま」


「ただいま帰りました。あのぉ、帝さんはいますか?」