Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 (みかど)さんとちゃんと両想いになりたい。

 そんな欲望が、あの日から生まれてしまった。




「はぅ…」




 2日経った今でも、あのときの帝さんを思い出したら顔をおおわずにはいられなくて、私は熱いほおを両手で押さえた。

 今日も学校に行って、6時間の授業を受けた帰り。

 金曜日だから仕事があるのだけど、私はとちゅうまで一緒に歩いてきた(あかね)と別れたあと、まっすぐGold(ゴールド) Night(ナイト)に向かわず、家を目指している。




「はぁ!?前はこの値段だったでしょ!」


「あれは特別価格、また買いたいなら本来の適性価格を払ってもらわないとなぁ?」


「人の足元見てっ!」




 道ばたの話し声を聞き流しながら、感情をあらわにする帝さんの破壊力(はかいりょく)を思い返してどきどきした。

 帝さんに愛してもらうとともに、帝さんの命を救うべく、昨日は顔を合わせたら私からキスをしてみたりもしたのだけど。

 ドロップハートをしていたときの、“どうやったら帝さんを落とせるんだろう”っていうなやみは、まだまだ続きそう。