Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

 な、なに…っ!?と肩がはねたけど、帝さんは湿気(しっけ)でいつもよりうねり度が増した私の髪をととのえるようになでる。

 は、ぼさぼさになってたかな、はずかしい…っ。




「雨の日はボリュームがあるな」


「うぅ、すみません…お見苦しいものを」


「いや」




 帝さんはいつもどおりの声で答えて、髪に触れていた手を私のあごに移した。

 きょとん、とする私の顔をすこし持ち上げて、流れるようにキスをする帝さんに、ばくっと遅れて鼓動が加速(かそく)する。

 し、使用人さんもいる前で…っ!?


 瞬時に顔が熱くなった私から唇を離した帝さんは、すこしだけ口角を上げて私のほおをなでた。




「今日はゆっくり休め」


「は、はぃ…」