だまって話を聞いていた茜が、そうやって私に声をかけた。
その言葉を聞いて、私は はっとする。
「そ、そっか…!帝さんにバレないように…え、そんなことできるかな私~…っ!?」
「外に出たいならそうするしかないでしょ。しっかりしろ」
「うぅ…がんばる…!」
かっとうしながら決意を固めると、茜に ばんっと背中をたたかれた。
痛い。
「結花は ずれてるけど、まぁなんとかやってけるくらいには したたかだし。がんばれよ。うっかり黒街に住んでたとか言わないよーに」
「え、ずれてるの、私…?」
「そーゆーとこ。あのね、わかってる?外で“黒街に住んでた”とか言ったら、秒で孤立するから。まじ、大罪犯したレベル」
「えぇ…そうなの」



