Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 茜は一言答えて、すこしのあいだ止めていた足をまた動かした。

 私は下駄箱(げたばこ)の向こうの、閉め切られたガラス扉を見て、どしゃ降りの雨をぼーっとながめる。

 しばらく1人で待っていると、階段のほうから2人分の足音が聞こえてきて、すぐに茜と晴琉くんが姿を現した。




「結花さん、こんにちは。話があるって聞いたけど」


「晴琉くん…あの、私」




 昇降口まで来てくれた晴琉くんに、私は眉を下げながらあの書類のことを話した。

 茜も私の願いどおり、昇降口に残って、腕を組みながらぶすっと話を聞いてくれている。




「帝さんは、どうして私に話してくれなかったんでしょうか…」


「それは…予言のせいじゃないかな」


「え?」