Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 ざあざあと降る雨が、ときおり窓にも水滴(すいてき)をぶつけて、教室のなかに雨音をひびかせる。




結花(ゆいか)。おーい、結花ってば」


「…あ。なぁに?」




 (あかね)に背中を軽くたたかれて、ようやく話しかけられていることに気づいた。

 寝不足なせいで重い頭をとなりに向けて、横の席を乗っ取っている茜を見る。




「今日は朝から元気ないじゃん?ずっと ぼーっとしてるし、どうしたの?」


「ん…うん」


「…なに、ライブに行けないショックが遅れてきたとか?」


「ライブ…」




 そうだ、ライブ。

 私は茜の腕に手を伸ばして、黒いセーラー服をつかんだ。




「茜…ちょっと来てくれる?」


「…ん。昇降口(しょうこうぐち)にでも行くか、今の時間だれもいないだろーし」