Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



『帝サマのも、規定値(きていち)よりは下だったけど、“反応”してましたよ』




 廉さんの言葉が頭のなかをぐるぐると回る。

 も、もしかして、もしかして。




「…返事は?」


「は、はい!」





 帝さんに視線を向けられて、とっさに いきおいよく答えた。

 気だるげな無表情で小さくうなずいた帝さんは、形のいい薄い唇を開く。




「今日は帰りが遅くなる。俺を待たずに帰っていい」


「わ、わかりました…」




 心臓がばくばく音を立てているのを聞きながらうなずくと、帝さんは手を上げて。

 ぽん、と私の頭をなでた。




「もうもどっていい」


「…」




 ぽかん、と開いた口から、心臓が飛び出したんじゃないかと、一瞬本気で思った。

 帝さんは手を離すと、私の顔を見つめて、ふ、とほほえみ、うしろを向いて歩き出す。




「~~っ!?」