Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

《――青波(あおなみ)結花(ゆいか)、セキュリティールームへ来るように》


「んぇっ」




 いつの日か聞いた覚えのある呼び出しを受けて、私は びくっと体ごとはねた。

 いつも“ゆいちゃん”呼びの(れん)さんに、フルネームで呼ばれる おそろしさたるや。

 別に今回はSNSのアカウントを作ったりはしてないのに…な、なんのおしかりを受けるんだろう。




「あれ。呼ばれちゃったね」


「うぅぅ…こわいですけど、行ってきます…」


「あはは、気をつけて」




 ひらひらと手を振る晴琉くんに手を振り返して、私は肩を丸めながら、おそるおそるセキュリティールームへ向かった。

 カジノフロアを出て、従業員用通路にもどってくると、セキュリティールームへたどり着く前に、廉さんの姿を見つける。

 …ワインレッドのスーツを着た、帝さんの姿と一緒に。