きらびやかなGold Nightのカジノフロアで、今日も各テーブルを回って7種類のチップをセットする。
そのかたわらで、近くのテーブルの準備をしている晴琉くんからまとめの言葉が返ってきた。
「それで、あのあと支配人に負けちゃったんだ」
「はい…」
「そっか…ごめんね、あおったりして。かけひきが活きるタイミングだと思ったんだけど」
「んぇ…あ、あれはそういう意味だったんですか。いえ、晴琉くんにお任せしたのは私ですから」
今になって晴琉くんが奥の手を出した理由が分かり、顔を上げて手を振る。
文化祭初日に、ドロップハートで負けてしまってから、2日。
もともと仕事がお休みの日曜日はともかく、祝日だった昨日も、文化祭があるからとお休みをもらっていた私は、火曜日になって晴琉くんにすべてを話した。



