「春日野」
「はい、失礼いたしました。…結花さん、今度は1人のときにおいで」
「へ…っ!?」
ぱっと手を離した晴琉くんは、人差し指を口の前に立てて、私にウィンクしてみせる。
え、営業をかけられている!?
晴琉くんってホスト似合ってるんじゃ、なんて思っていたら、帝さんがつないだ手をぐいっと引っ張って、私を階段のほうへ連れて行った。
「え、帝さん…?あ、は、晴琉くん、すみません、また!」
振り向いてあいさつだけすると、晴琉くんは にこっとほほえんで手を振る。
軽く手を振り返して前に視線をもどせば、帝さんは立ち入り禁止の注意書きが貼られた三角コーンのわきを通って、まっすぐに階段を上がっていき。
屋上に続いている扉を開けて、青空の下に数人いた、先客に声をかけた。



