Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



「い、今すぐ取りに――!」


「いい。金はくずしてある」




 がばっと席を立つと、帝さんに腕をつかまれて、イスの上にもどされる。

 うぅ…ミニカジノを出たら、絶対取りに行こう…。




「すみません…ありがとうございます…」


「あぁ」


「…そ、それでは、10枚ずつ、どうぞ…」




 落ちこみながら、ダンボール製のチップに変わった100円を受け取り、「Place(プレイス) your(ユア) bet(ベット)」の声で顔を上げた。




「先攻のプレイヤー、または後攻のバンカー…引き分けのタイのいずれかに、賭けてください」




 ミニバカラは、ディーラーの手でゲームのすべてが完結する、プレイヤーは賭けるだけのぼうかん型ゲーム。

 レイアウト上の、[PLAYER(プレイヤー)]と書かれた場所と、[BANKER(バンカー)]と書かれた場所に、ディーラーがそれぞれ2枚のトランプをくばる。

 そのトランプの合計、下一桁が9に近いほうの勝ちっていうのが基本のルールだ。