Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―

「ホットケーキです!生クリームがたっぷり乗っていておいしいんですよっ」




 尋ねられて、迷わず私が好きなメニューを答えると、廉さんが ぷはっと吹き出す。

 帝さんは気だるげな無表情でメニュー表に視線を落としたまま。




「“生クリームがたっぷり”か~、それはいいなぁ。じゃあ俺はホットケーキとコーヒーで」


「俺もおなじものを」


「ホットケーキとコーヒーをお2つですね、かしこまりました!ただいまご用意いたしますので、少々お待ちください」




 笑顔でぺこっと頭を下げて席を離れると、周りが静かだから、廉さんのしゃべり声が聞こえてきた。




「ははっ、ゆいちゃんうれしそ~。来てよかったですねぇ、帝サマ?」


「…」




 だってうれしいんだもん、と心のなかで勝手に答える。

 私は笑顔をしまえないまま、家庭科室からたまに補給が届く在庫テーブルの前に移動して、クラスメイトたちがフリーズしていることに気づいた。