Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 いよいよ文化祭が始まって、在校生から、黒街(くろまち)に住む一般の人まで、校舎(こうしゃ)に人があふれかえるなか、2年3組もフル稼働(かどう)している。

 がやがやと廊下(ろうか)から、教室のあちこちから話し声が聞こえてきて、ちょっと声を張らないと周りの音にかき消されてしまいそうだ。




「メイドさん」


「はぁい。ご主人さま、お飲み物やお食事はいかがされますか?」




 手を挙げて呼ばれ、クラスメイトが無事に仕上げてくれたメイド服を着た私は、お客さまが待つ席に近づく。

 注文票を手に、仕事で身につけた接客スマイルを向けると、お客さまがメニューを見ながら、あれやこれと注文を告げた。




「それから、ゼリーを」


「かしこまりました。ただいまご用意いたしますので、少々お待ちください」