Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 占い師さんはうなずいたあとに、すっと目を閉じる。

 深呼吸をして、数秒後にまぶたを開けた占い師さんは、水晶玉に視線を向けながら、もっと遠くを見るような目をした。

 集中し切っているのが伝わってくるからか、話していたときより神秘的(しんぴてき)雰囲気(ふんいき)が増して、なんとなく背筋が伸びる。




「――そう、あなたが…」




 占い師さんは無表情に近い、真剣な顔から(りき)みを取り払ったような表情で、ぼそっとつぶやいた。

 私…?が、なんだろう?

 きょとんとして考えていると、占い師さんは目を閉じて息を吐いてから、ほほえんで私を見る。




「大丈夫、あなたが住む場所にこまることはないわ。そして、あなたが行きたいと思えば、待ち人のもとへも行ける」


「ほ、ほんとですか」


「えぇ。あなたは思うままに行動すればいいわ。迷ったら、自分の心にしたがって」