Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 落ちついた女性の声に話しかけられて顔を上げると、目の前に、紫紺(しこん)のベールをかぶった、神秘的(しんぴてき)な女性が立っていた。

 半透明(はんとうめい)のフェイスベールで顔の下半分をおおっていたり、ゆったりとしたドレスを着ていたり、見るからに(うらな)い師という格好(かっこう)だ。




「え、えぇと…ちょっと、のっぴきならない なやみごとがありまして…」




 そういえば、今年の文化祭には、有名な占い師さんを呼ぶっていう話があったっけ…?

 そう考えながら、へら、と愛想笑いを浮かべて答える。

 占い師さんは()んだ緑色の瞳で私を見つめた。


 左右の目にそれぞれ泣きボクロがあるところが、神秘的な雰囲気(ふんいき)をよりかき立てている気がする。




「よかったら、占われにいらっしゃい。前にも、私のお客さまになったことがあるわよね?」


「え?いえ、生まれてこの方、占い師さんとは会ったことがなく…」