Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



「止まれ、この女が――ぐっ」




 ひぇ、首になんか当たってるぅ…!と、ぎゅっと目をつぶった直後、私を拘束している人がうめいて、首に当たるなにかの感触が離れる。

 次いで、わきの下から回された腕が離れて、体を前に抱き寄せられた。




「ぎゃぁっ――」




 うしろから聞こえたさっきの人の悲鳴が、まうしろじゃなく、すこし離れたところからあがっていて、あぁ、解放されたんだ、と涙がこみあげてくる。




「ケガはないか」




 耳の近くで帝さんの声が聞こえたことで、私を抱き寄せた人が帝さんなのだと確信できて、思わずその背中に腕を回してしまった。




「帝さぁん…っ、こわかったです…!!」




 思ったよりも完全な泣き声になってしまったけど、安心したいきおいで泣きつくと、背中をとんとんとたたいてもらえる。

 帝さんの温かい体温がうれしい。

 私、ちゃんと生きてる…!