「帝さんっ、なんかあぶない人たちが――!」
いるから気をつけて、と伝えようと振り向いたら、私を追いかける黒づくめの人たちが思ったよりも近くにいておどろく。
でも、そのさらにうしろで、帝さんが足を振り上げて、一番うしろにいる黒づくめの人の頭を蹴り飛ばすのが見えた。
ごんっ、と壁にたたきつけられた人から痛そうな音がして、黒づくめの1人は振り向き、1人は私に手を伸ばしてくる。
はっ、と前を向きなおして全力で走ったけど、数秒もしないうちに、ぐいっと腕を引っぱられて羽交いじめにされた。
からんっとナイフが落ちるような音と、どさっと人がたおれる音が聞こえるなか、私を捕まえた人は うしろに体を向ける。
ぐぐ、と拘束されている私も一緒になってうしろを向かされ、しゃがむように体勢を低くしている帝さんが目に入った。



