Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



「あのぉ…どちらさまでしょうか…?」


「「…」」


「へ…っ?」




 とりあえず尋ねてみた私に対して、黒づくめの人たちは目を合わせてから、手を上げて私にせまってきた。

 その手には、きらんとにぶく光るナイフがにぎられている。




「んぇっ…!?きゃぁぁあ!」


「チッ」




 命の危機を、これほど直接的に感じたことはなかったかもしれない。

 私はのどの奥から悲鳴(ひめい)をもらしながら、思わず黒づくめの人たちから逃げるように、廊下の左側へと走った。


 やだやだやだ、ちょっと死ぬのは ごかんべん願いたい~…っ!!

 じわっと涙が にじんできたりして、どこに行けば助かるかな!?と必死に考え始めたとき、うしろでガチャッといきおいよく扉が開く音がする。

 この近くにある扉って、私か帝さんの部屋の扉しかないから、私はすぐにその音を出した人の正体に思い当たった。