「だーめ。アカウント消そうな?」
「う…はい…」
がっくり、とうつむいて、私は廉さんに連行されるまま、スタッフルームへ移動した。
「帝さんの家に住んでると言っても、立ち入り禁止の場所もあるし、私が知ってることなんて ささいなことだと思いますけど…」
ざんねんな気持ちをおさえきれないまま、私が使っているロッカーを開けて、荷物のなかからスマホを取り出す。
画面を点灯させる前に、私は振り返って、うしろに立っている廉さんを見た。
「私ってそんなに重要な情報を知りうる立場なんですか?」
「ん~?どう思う?」
ズボンのポケットに手を入れながら、にこりと笑う廉さんを見て、あ、と感じとる。
これは…私、また聞いちゃいけないことを聞いたのかも。
昔から踏みこんじゃいけないラインがわからなくて、よく不快に思われることを聞いちゃうんだよね…。



