Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



 廉さんってやっぱり、セキュリティールームからぜんぶ見てるんだなぁ、と思いつつ。

 ゆるく笑って聞いてくれた廉さんに、私は前のめりで確認した。




「あ、あの、帝さんってほんとに、歌姫さんと、そのぉ…特別な関係になったこと、ないんでしょうか?」


「帝サマが、あの女と?ないない、絶対ない。なに、あの女に吹きこまれたん?」


「吹きこまれたというか、帝さんと寝た歌姫さんのほうが特別だって…」




 しょも、と眉を下げてもやもやを吐き出すと、廉さんは私の頭をぽんぽんとなでる。




「けん制してやろうっていう わるあがきだな。帝サマの特別になりうるのは、ゆいちゃんだけだよ。だれになに言われたって気にすんな」


「私、だけ…」




 廉さんにそう言われて、なぜかうれしくなってしまっている私がいる。

 でも、“特別”って、たぶん…。