Gold Night ―退屈をもてあました男は予言の乙女を欲する―



「今日は店先でナンパされた らしいじゃんか?大丈夫だったか~?」


「え…はい、(みかど)さんが助けてくれたので…」




 もしかして、ただ心配してくれただけ?

 おしかりを受ける雰囲気じゃなさそうだと肩の力が抜けた私は、こちらに歩いてきた廉さんにゆるく笑いかけられて、口角を上げた。

 帝さんが感情をそぎ落としたダウナーだとすれば、廉さんは愛想のいいダウナーといった感じ。


 友だち同士?だからか、気だるげな雰囲気がそっくりだ。

 容姿がととのっているところも。




「うんうん、聞いたぜ~?ゆいちゃんもそんなに大きくなったかぁ」


「はい、高校2年生です」




 ふふん、と便乗(びんじょう)してすこし胸を張ってみれば、廉さんは「おぉ~。昔は中1だったのになぁ」と演技がかった調子で返してくれた。

 えへ、と笑う私の肩を()いた廉さんに連れられて、来たばかりのセキュリティールームを出る。

 人気(ひとけ)がない従業員用通路で、廉さんはへらりとした笑みを浮かべて、ズボンのポケットからスマホを取り出した。